ご報告遅くなりましたが、先日12月5日に「ものラボワークショップ in 高山」の第五回・最終回講座が無事終了しました。
このワークショップにおいて、「最終回」というのは、それまでの4回の講座とは少し異なった位置づけにあります。
それは一言で言えば、文字通り「終わり」ということにあります。
どれだけ壮大な構想を頭の中に抱いていたとしても、時間がきたら終わりです。
自分の中では終わっていないといくら主張しても、かなしいかな、終わりは終わりです。
そして私たちは毎年、「どういった終わり方がいいのか」ということに頭を悩ませます。
これといった結論が出るわけではないのですが、2つの「終わり方」を設定することにしています。
一つは「装置を見せること」です。
これは装置自体の終わりに関わるもので、装置を見せるからには、ひとまずは「ピタゴラ装置をスタートからゴールまでつなげて、"通せる"状態に持っていくこと」が目標になります。
もう一つは「装置を説明すること」です。
これは装置自体の終わりというよりは、このワークショップ全体の終わりに関わるものです。
ただ装置を作るだけでなく、何をどう作ったのか、どこを工夫したのか、どこが難しかったのか、といったものづくりの活動内容を「自分以外の人に言葉で説明すること」が課題です。
特に後者の「装置を説明すること」は、ものラボの大きな特徴だと思います。
確かにものを作るという観点からは、装置がきちんと完成すればよいのではありますが、やはり、作りっぱなしで終わらせたくない。
何よりも協同でものづくりを進める上では、きちんと言葉で説明するということはとても大事です。
子どもたちには、きちんと時間をとってワークシートを記入し、発表練習もしてもらった上で、保護者を含めた見学者に対して装置の説明してもらうことにしています。
ものづくりを言葉で説明することは、ワークショップ内にとどまるものではありません。
こんなものづくりをしたんだよ、こんなところが難しかった、ここが面白いんだよね、といった話を楽しく友達や家族に伝えることは、次のものづくりにつながる大事な活動です。
場所や世代を超えて、ものづくりの輪を広げること、ものづくりのレールをつなげること。
今年のワークショップとその後の日常生活で、それが少しでも達成されれば嬉しい限りです。

↑全体での記念撮影
実は、私を含めブログを書いているスタッフのうち3名は、今年で高山でのメインスタッフとしての活動が最後でした。
子どもたちのものづくりに真剣に取り組む姿や熱心に関わってくださる保護者の様子から、いいプログラムにしたいと毎年、毎講座、決意を新たにしてきました。このように私たちに期待してくださり、積極的に参加してくださる方々がいるからこそ、ワークショップを継続的に開催することができました。
そして、和井田製作所の方々には、本当にお世話になりました。このような素晴らしいものづくりの機会と場所を提供してくださったことは、感謝してもしきれません。
メンターの方々には、ワークショップのあらゆる面で助けていただきました。どのような状況でも余裕を持って構える姿と、豊かで含蓄のある言葉から、私たちは多くのことを学ぶことができました。
また高校生スタッフ・先生方の多大なサポートなしには、プログラムの成功はなかったでしょう。本当に頼もしく感じました。
そして、岐阜県高山市、教育委員委員会のご協力は、ワークショップの実務的な運営・周知に欠かせない重要なものでした。
ものラボワークショップに関わってくださった皆様にスタッフ一同、感謝しております。
本当にありがとうございました。
私たちはきっとこれからも何かしら「ものづくり」に携わっていきます。
ここで一つの「終わり」を迎えますが、それは同時に「始まり」でもあります。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、皆様よいお年を。
2015年の終わりに
宮田