2014年12月28日

「私的」高山WSのまとめ

こんにちは、佐々木です。
ふと気づけばもはや年の瀬、皆様いかがお過ごしでしょうか。
何だか今年は、1年が早いな、としみじみ感じます。

ただ、そろそろ記事をまとめないとまずい、というアレがアレしていて、今は若干焦りつつこの記事を書いています。仕事遅いのヨクナイネ!(まぁ、締め切りはナントカの母、とも言うわけで…。宮田さん、ホントすみません)。

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ということで、既に終了からひと月近くが経過しておりますが、今年度も高山WSは無事に終了いたしました。改めて、本WSに関わってくださった皆様に厚くお礼申し上げます。

さて、高山WSを振り返るにあたって、どんな話を書こうか、としばらく考え、何本か原稿を書いてみたのですが、どれもいまいちピンときませんでした。これまでのプログラムのメインの話に関しては、僕含め、その回の講師を担当したスタッフが既に記述していますし、第5回目のプログラムの内容、意図に関しては、宮田さん、矢田さんがきっちりまとめているので、僕がこれ以上書き足すこともほとんどないという(笑

だからと言って、第5回目に僕が保護者の皆様へお話しした内容を今ここで書いても、この高山WSの振り返りにはならないな、と思って、一通り書いたものを没にしてしまいました(その文章は、本WSのフォローアップも兼ねて、年明けにでもここに載せようと思います)。

ということで、今回は上手くまとめることを諦め、その代わりに、第3回目を題材とし、きわめて「私的」な形で、この高山WSを振り返ってみることにしました。この回は講師として参加したわけでもなく、ただ単に1つの班に入っていただけなのですが、実は僕の思い入れが1番強い回というか、このWSに対する僕自身の考え方が、1番色濃く現れている回だったな、と思うのです。

もちろん、これから記すような考え方が、ものラボWSの在り方全体を代表するわけではありません。ですが、その1つの側面は、何だか上手く書き出せたような気がしています。

ということで、少し長いですがどうぞ。

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今回の高山WSにおける第3回目の位置付けは、センサーの仕組みを学んだ後に、ピタゴラ装置の全体像を描く、というものでした。プログラムの意図としては、自分たちの作ったパーツをどのようにつなげるか、その設計図を共有してもらい、第4回目、第5回目の足がかりとする回です。

とは言うものの、はっきり言って、色々な面で僕らの思い通りにはいきません。色々なアイディアが出て、予想していた完成図からはすぐさま遠ざかるし、目標に対しての振る舞いとは思えないことだっていっぱい起こります。全員が全員、きれいに真っ直ぐ進む、なんてことはまずあり得ない。

そういう状況になってしまったとき、目標への道筋に乗っけるのは、案外簡単です。何かしらの強制をさせたり、あるいは、わかりやすいご褒美を見せたりすればいいからです。けれど、そうやってほとんど全ての道筋を用意し、側からでもわかるような「見た目」だけを取り繕うことが、このWSにおける本当の意味での成功だとは、僕には思えませんでした。言い換えるなら、単なる「工作」や「作業」などの経験をした、というだけで終わらせてほしくないのです。

今振り返ってみると、多少後付けではありますが、僕は、ピタゴラ装置がまっすぐ完成に向かうよりも、あれこれ動き続け、いっぱい試行錯誤し、自分でも意図のよくわからないその振る舞いが「答えへの道に偶然則してしまった」という体験をしてほしかったのだと思います。

つまり「私には全体像がわかっている。ならばその状況での正しい行動は何か」という問いではなく「全体像はよくわからないけれど、何でもいいからいろいろ手を動かしてみよう」という、全体像がはっきりと見えていない状況での「正解」に、何とかしてたどり着いてほしかったわけです。「個」における正解、言い換えるならば、自分なりに頑張って、こだわって、そして偶然かもしれないけれど、上手く完成に漕ぎ着けたものが、気づけば「全体」としての正解につながっていたという、そういう経験こそが、彼らがこのWSで得られる貴重な経験なんじゃないかと、改めて思います。

だから、子どもたち本人が自分自身で考え、動き、成長していく上では、一見上手くいっていないような、なかなか進まない状況も必要なんだと自分に言い聞かせて、今回はかなり意図的に放任していました(ということで、僕と一緒に班に入っていた、高校生スタッフのYくん、Kくんには、結構大変な思いをさせたかな、と思います。ごめんなさい)。他にも、宮田さんの発案ですが、子どもたちにいきなり「インタビュー」を仕掛けて自分の作業を振り返ってもらったり、ある子どもの作業を手伝うときも、僕は一切手出しをせず、彼に全部手を動かしてもらったりと、今までのWSとはかなり違うアプローチを取っていました。

このアプローチが上手くいったかどうかはわかりません。けれど、単純に道筋を用意するだけでは出来ないことがあった、つまり、今回参加してくれたどの子どもたちにも、自分の振る舞いで物事が動き、何かが得られる場面があった、と僕は信じています。そして、自分であれこれ手を動かす経験の積み重ねが、本当の意味で自分自身で考え、行動し、色々なことにチャレンジしていく姿勢を作っていくのかな、と思っています。まぁ、ちょっと言い過ぎ…かもしれないですけれど。

ということで、以上、個人的な高山WSのまとめでした。
それではみなさま、よいお年をお迎えくださいませ。

佐々木
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2014年12月12日

高山WS第5回を終えて

今年新規のスタッフとしてものラボに入り,初めての高山ワークショップが先日終了しました。
新人の矢田から見たその日のことをご報告いたします。

この日,私は初めて保護者のみなさんの前でお話をさせていただきました。
第4回までの子どもたちの様子を親御さんにお見せし,「完成」を迎える子どもたちのピタゴラ装置を見るにあたってそもそもピタゴラ装置とは何かをお伝えするのがその役目でした。

というわけで第4回目までの子どもたちの様子を5分程度の動画にまとめ,朝の9時からお集まりいただいた保護者のみなさまに向けて上映いたしました。
その後,子どもたちに向けては第2回目のワークショップのときに伝えた「”ピタゴラ”ってなんだろう」と題した解説を,保護者のみなさんには少し高度なバージョンに再編集し,お届けしました。

いずれも興味深く見てくださり,新人としてはホッと胸をなでおろしたのでした。

その後,保護者のみなさんは完成間近のピタゴラ装置と,その最終調整に励むお子さんたちのご様子を見学。親御さんの目があると子どもたちの雰囲気も少し変わります。彼らは気づくのです,「このピタゴラ装置は見せるものなんだ…!」ということに。

ものづくり」においてその品質を劇的に変えるのは,それを「発表する」という製作者の自覚ではないでしょうか。世に自らの作品を問い,販売するなどして他者の手に渡すというのは,つくるモノに対する見方に影響を与えます。喜ばせたい,驚かせたい,見惚れてもらいたいといった欲求を刺激します。これくらいでいいかな,と妥協していたところに急に火がついたり,あるいはその逆もあるでしょう。他者の評価軸に作品がさらされるという意識は,その人を他者との関係の中に引きずり込む作用があります。

長いこと,各班のなかでピタゴラ装置の一部を担当する,というかたちでものづくりに励んできた子どもたちは,ここへ来て視野がいっきに高台に立つことになります。それはもしかしたら,このワークショッププログラムのなかでは遅すぎたのかもしれません。自分の班のピタゴラ装置,そして自分の担当について「発表する」のだということに気づいた子どもたちは,それほどあからさまにではないにせよ,態度や姿勢に緊張感が出てきました。よりよいものを作るという気持ちが生まれ,微調整に精を出します。もう少し時間のあるときにこうした意識を感化することができたら,微調整のみならず新たなパーツ制作に取り組む余裕もあったかもしれません。そこは次回のワークショップに向けての反省点の一つでしょう。

発表を間近に迎え,自分の作ったパーツはどこが面白かったか,どこを工夫したか,何が難しかったか,そしてそれに名前を与えるとしたら何か。子どもたちの発表準備のために私達が用意したワークシートに向かって,彼らは頭を悩ませます。

他の班の子どもたちや保護者のみなさんの前で発表したあと,ときに「救いの手」を差し伸べながら,子どもたちはピタゴラ装置を駆動しました。楽しく作ったモノ,それがうまく動く様子,あるいは惜しいところで止まってしまう様子。子どもたちはその体験を通して何を思ったのでしょう。何を感じたのでしょう。

「ものづくり」は一見するとクリエイティビティにあふれたすごい人達の特権に思われるかもしれません。しかし私達は日常を生きるなかで案外「ものづくり」をしていたりするものです。あるいは「ものづくり」に通底した生産的な行為を行っているものです。高山ワークショップではピタゴラ装置という普段あまり作らないタイプのモノを作りますが,子どもたちの将来の血肉になるような,得も言われぬエッセンスがそこにはあったはずなのです。ここではあえて,無数にあろうそれらを言語化しないでおきます。ものをつくるという行為全般を形作ったり,それに付随したりする大事な要素の何かひとつでも――それは子どもたちごとに少しずつ違ったものでしょう――子どもたちがこの高山ワークショップで感じ取り,覚えていてくれたらと願ってやみません。

暗黙的に何かを授けること,その環境を提供すること。教育はどうがんばってもわかりやすく描くことはできないというあまりにも当たり前のことに思いを馳せながら,失われつつある暗黙的なものを授けられるプログラムの一翼を担えたことをうれしく思います。
posted by ものラボ at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 矢田 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月11日

高山WS最終回!終わりなきものづくり

宮田です。

先週12/6に、「ものラボワークショップ in 高山」の第5回(最終回)講座が終了しました。

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最終回は、「オリジナルの装置を完成させよう!」という講座名の通り、これまで継続的に作ってきたピタゴラ装置を「完成」させることが目標でした。
これまで何度かブログでも書いてきたように、「完成」というのが何を指すのかは難しく、自分が「これで完成だ!」と満足すればそれでよいかといえば、どうやら違う感じはするけれど、じゃあ客観的に何をもって完成とみなすかと考えだすと、それはそれでキリがなくなります。

でも、やっぱり「完成」した装置と「未完成」の装置は、それなりにはっきり区別はできるし、何かしら基準もありそうです。
ピタゴラ装置の場合は、スタート地点、ゴール地点、中継地点を(うまくいくかは別にして)途切れなく繋ぐ、というのが最低限の完成の基準だと考えられます。

そう考えると、今回のワークショップでも何とか全員の装置が「完成」したといってよいでしょう。最後まで粘り強く作業に取り組み、全員「完成」にまで辿りつけたことは、非常に良かったです。


それでは、今回の装置は「成功」したのでしょうか?
最後の発表会の時、各班3回ずつ自分たちの装置を実演する機会がありました。
スタートからゴールまで球を一度も途切れなく通すことができた班は、(私の知る限りでは)今回はありませんでした。
非常に惜しい班もありましたが、やはり、装置内の各パーツのつなぎの箇所で球が止まってしまうことが多く、何度か「救いの手」を差し伸べないと最後まで通すことができませんでした。

もちろん、これは悪いことではありませんし、そもそも限られた時間の中で高い精度を要求することは難しい話です(私たちが作る見本の装置だって、実演の時はいつも「失敗」します)。ワークショップのプログラム編成のあり方をまず反省すべきです。

むしろ、これをきっかけに、ものづくりにおいて、「なんとなく完成」させることと「きちんと完成(成功)」させることの隔たりに目を向けてもらえたかな、と。
とりあえず形を完成させてから、装置を通して成功させるまでに、思った以上の時間と労力がかかるということが、少しでも感じてもらえたのではないかと思います。

少し厳しめの感想になってしまいましたが、私たちが本当に嬉しいのは、その場限りのワークショップで満足してもらうことよりも、これをきっかけに持続的にものづくりに関わり続けてもらうことです。

今回のワークショップも、高山市、高山市教育委員会、高山工業高校の学生スタッフ・先生方、メンターの皆さま、保護者の皆さまには多大なご協力をいただきました。そして、和井田製作所の皆さまに何から何まで本当にお世話になりました。本当にありがとうございました。

これだけの恵まれた環境の中で、私たちも継続的にものづくりに関わることができることを感謝しつつ、次の世代にもものづくりの面白さを伝えていくことに、これからも少しでも貢献していければと思います。

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さて近日中に、他のスタッフも報告ブログを書いてくれる予定です。
乞うご期待。


(補足)
私は、今年のワークショップでは、3〜5回目にセンサー(電子工作)の講座・指導を担当しました。
今回のワークショップで使った装置・部品等を、参加者の皆さんでも揃えることができるように、リストアップしておきます。ご興味のある方は、ネット等で探してみてください(できる限り今後リンクを追加していこうと思います)。

基盤&センサー&その他部品
- Arduino Leonardo
※Arduino Unoでもいい
- ブレッドボード(大・小)
- マイクロBタイプのUSB
- 圧力センサー(FSR402など)
- 温度センサー(LM35DZなど)
- 光センサー(Cdsセル)
- 距離センサー
- ブザー/圧電スピーカー/圧電サウンダ(SPT08など)
- サーボモーター(RB50bなど)
- 電池
- 電池コネクタ
- LED
- ジャンパーワイヤー
- 抵抗いろいろ(1k、10k)
- 延長ワイヤーケーブル
- クリップケーブル

工具類
- ワイヤーストリッパー(P960)
- ペンチ

posted by ものラボ at 15:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮田 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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