2014年09月06日

「作ること」と「使うこと」

こんにちは。宮田です。

前回の記事で、武井さんが報告してくれたように、千葉県柏市高柳地区の小中学生を対象とした東京大学キッズセミナーにおいて、ものラボは、「空気砲でBANG!!」と「身近なものでヒコーキづくり」の2つの講座を企画・運営しました。私は、スタッフの佐々木さんと一緒に、「身近なものでヒコーキづくり」講座の講師を担当しました。

同日開催されたプログラム「空気砲でBANG!!」と同じく、本講座でも「ものを作ること」だけでなく、「(作った)ものを使うこと」を重視しました。

ヒコーキの場合、「使うこと」というのは、「飛ばす」という動作を実現することと言ってよいでしょう。今回の講座では、飛距離を競うゲーム(使うこと)を用意することで、各自のヒコーキの性能を改善させること(作ること)を促しました。もちろん、「飛ばす」という目的(機能)に最適化しようとしすぎると、「自由なものづくり」を阻害してしまう可能性もありますが、一定の材料的な制約の中で、特定の機能を最大限まで引き出すという行為は、高度に創作的であるし、「どう使うか」という側面があってはじめて広がる発想というものは確かにあると今回の講座から見て取れました。

「ものづくり」単体の悦びを否定するものではないし、例えば、観賞のみを目的とした「飛ばない」ヒコーキを作ることも面白いでしょう。でも、「使う」ことから切り離した「ものづくり」の方が取っ掛かりが見つかりづらく、むしろ難易度が高いといえます。

「ヒコーキ的な何かを自由に作ってください」といきなり言われても、正直困ります。特に、小学生対象の数時間で完結したプログラムで求めるのは現実的ではありません。それよりも、ある程度決められた形状のヒコーキを改良して、「できるだけ遠くに飛ぶようなヒコーキを作りましょう」と言われた方が、最初のステップとしてはやりやすいでしょう。つまり、限られた時間の中では、「一から自由につくる」ことよりも、目的を定めた上で、一定の機能を取り出して、それを意識的に操作することの方が、適しているんじゃないか、ということです。そして、この「制約をどこまでかけるか」という問題は、大袈裟にいってしまえば、ものづくり教育における最大のテーマだと思います。

今回は、ヒコーキの飛距離を競うゲーム(飛距離に応じて点数をつける合計得点を競います)を最後に行うことにしました。そして、制作の段階でも、最後にチーム対抗戦でどれだけ遠くに飛ばせるかを競うということを参加者に伝えました。

参加者はゲーム自体に非常に盛り上がっていましたし、ゲームの前には、熱心に飛距離を検証し、ヒコーキに改良を重ねていました。グループ対抗戦にしたことで、参加者同士のコミュニケーションも促進されたのではないかと思います。単純に「よく飛ぶようにつくりましょう」と言葉で抽象的に促すよりも、このようにゲーム形式にして、かつ客観的に「どれだけ飛んだか」を見えるようにすることが、特に子どものモチベーションを高める上では、効果があったように見受けられました。

今回は、時間の都合もあり、飛距離を競うゲームしかできませんでしたが(部分的には、ボーナスポイントとしての的当て要素も取り入れました)、ヒコーキの「飛ばし方」はこれに留まりません。今後はより発展的な課題として、飛距離だけでなく、軌道の正確性(コントロール)、上昇距離(高度)、旋回能力(カーブ)、滞空時間といった、様々な飛行性能を想定しながら、多様なゲームを開発し、子どもたちに工夫を促すことに挑戦したいと思います。

宮田

posted by ものラボ at 00:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 宮田 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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